ことの始まりは雄介だった。ラウスキャンプ場にテントを張っているライダーに聞いて回っていたのだ。

「知床岬まで行きませんか?」 ここにいるライダーはほとんど長期滞在。北海道をバイクで回っているつわもの達だ

 私のところにも来たが、渋っていた。なんと歩いて三日!

 本当にいけるのかな。途中には熊が出るし、道なんてありゃしない。

 しかし、雄介はあきらめもせずに説得して回っていた。そのうち参加者が増えて七名も集まった。

 その中に私がいたのは只の暇つぶしでは断じてない。行きたいのに理由は要らない。

それまで、全然知らない只のキャンパー同士だが、バイク乗りということで、なぜかうまくいきそうな気がした。

全員が集まって、食料の振り分け、キャンプ道具の振り分け、などなど、分担して荷物を少しでも減らしていくことになった。

 テントはいらない。途中に番屋という、漁師が休む、小さな小屋があるからだ。

 道は海岸線沿いに岬まで歩くという簡単なものだった。登山でもあるまいし、そんなに大したこと無いと思っていた。

 それが大きな間違いと気がついた時は、・・・遅かった。

 我々は前泊まりという、ラウスのはずれにある。岬に近い道の行き止まりにバイクを置いて、歩き始めた。

 最初は砂浜。しかし、砂浜というのは結構体力を消耗するのだ。

ごらんのような海岸を歩くわけだが、砂浜といっても砂が大きくて靴の中に入ってくるし、海岸には砂だけとは限らない。

こぶしのように大きな石の海岸を歩いたときは足の裏が痛くなってきた。

 ちゃんとしたウォーキングシューズならともかく安物の運動靴ではねー

 さらに海岸を行くと道が無い!・・・・

 目の前に大きな崖が・・・

 ここを登るのか(−。−;;

ずり落ちないように四本足で登っていく。

そんなに高さは無いけど、結構、こわい。

降りる時も大変。

やっとのことで崖をやりすごして、

また海岸線沿いに・・・

近くを漁船が通っていく。誰もが乗せてほしいと思っていたに違いない。やっぱり、俺だけかな。

しかし景色は最高。

本当に人間の手が入っていない海岸ってこんなにもきれいなものかなと思った。

 それにしてもカモメが多いね。「知床旅情」(加藤登紀子)ではピリカと言ってたけど大きな岩に集団で営巣してる。

 それにしても水はきれいだ。誰かが、うにを採って食べていた。新鮮には違いないけど、俺はだめ。

 水は持ってきたけど、水場は少ないのでのどが渇く。

 ようやく、一日目が終わる。

 長い一日だったが、番屋でみんなとコッヘルで飯を炊きカンズメと一緒にかけこんだ。

 番屋といってもただの板を張っただけの小さな小屋だ。板はかけてるし、床も只の板張り、穴だらけ、壁から外が見えけど、漆黒の闇です。熊が出ないことを祈るだけ。

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